まわるまわる

アメリカでは海の中でお札を追いかけ、泳ぐ赤ん坊が。イギリスではピンクのもやの中で、視界が歪んで見えなくなったギターが。そんな音楽が世の中に産み出された頃、まだ10歳にも満たないガキでした。15で不良と呼ばれることは無かったのは幸いでしたが、音楽に対して人並み程度の興味しか無かった90年代を過ごしました。音楽を聴きだすようになったのは、2000年代になってからでした。


十年一昔という諺は、現在では死語になりつつあるくらい、時代の移り変わりは激しいようです。しかし、こと音楽に関しては10年単位で括ることが一般的な気がします。CDの総売上が下降に向かい、時代のアイコンが不在と、不毛な時代と形容されることが多いように思いますが、それでも、わたしにとっての音楽は2000年代(00-09)こそが青春なのです。


70年代、80年代、そして90年代の音楽は後追いでしかない為、リアルタイムでその音楽で育った人に対しては、ある種の羨望の眼差しを向けていました。けれど、あまりに回顧(懐古)しすぎる人に対しては嘲笑していました。


2000年代もこの1年で終わりを迎え、また新たな10年が始まります。「最近の若者は・・・。」という言葉は、古代メソポタミアにて既に記されていたようですが、その思考回路はわたしにも遺伝されているのでしょうか。新しい年代になった時、現在を否定して過去を否定ばかりするような考え方にはなりたくないものです。